コラム

C-ROW代表の坂本が、業務に関係なく思いのままにコラムとして綴ります。

2014年7月25日 コラム一覧に戻る

まちづくりとものづくり

ずいぶん掲載がご無沙汰になってしまいました。
2013年11月~2014年3月の短い期間でしたが、私が卒業した大学で非常勤職員として産学官連携コーディネーターとしてお手伝いさせて頂きました。
15年以上まちづくりという仕事に携わってきて、たくさんの人と一緒にプロジェクトに関わらせていただきました。
一方11月からの大学での仕事は、本当に知らない世界ばかりで、私にとってはとても新鮮でしたし、得られたことはぜひまちづくりの分野に還元したいと感じました。
まちづくりでは、大学と自治体が協働で行政計画を策定したり、委員会の学識経験者として参画したりということはよくみられます。
一方まちづくりでは、大学と企業の共同研究ということはあまりみかけません。共同研究というと、大学と企業が契約を結んで、企業側が研究費や研究場所を提供し、大学側が知を提供したりしながら、イノベーションを創出しているわけです。ここで大きなポイントが、お金が動くという点です。
大学と企業で共同研究した成果は、ビジネスにつながったり、知的財産としての価値を生み出すわけですが、まちづくり分野で大学と自治体で生み出された成果はビジネスにつながるかというと、あまり聞いたことがありません。
また得られた成果は、知的財産というよりはオープンリソースとして捉えられることが一般的です。
まちづくりで、よくお金が生み出さないといわれますが、そうした背景の一端を見た気もしました。
もちろん、オープンリソースが悪いというわけではありませんが、まちづくりとものづくりの分野を対比してみることで、見えてきた大きなポイントでした。
まちづくりとものづくりは対極にあるか?といえば、そうではありません。
私の会社がある江東区では多くの小さなものづくりの工場や工房があり、そうしたものづくりから生まれたものは地域の資産であり、地域らしさでもあるわけで、それがまちづくりに生かすという話はよくいわれています。
生活している人にとってはまちづくりもものづくりも一体であり、わざわざ意識していないのかも知れません。ただ、一旦自治体や大学という組織から見ると、まちづくりとものづくりが分断して捉えてしまっており、それはそこに身を置いた自分自身が生活の場から切り離され、研究、行政計画などの視点から見てしまっているだけかもしれません。
大学の仕事を終え、ものづくり分野を垣間見て得たヒントから、さあ次のまちづくりの仕事にどう生かしていくか、まさにそんなことを考える日々です。

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ファシリテーターとして多くの「まちづくり」「ワークショプ」に参画するプロフェッショナル「C-ROW」

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